「ストライクゾーンど真ん中」(日本通信・福田副社長)とアピールする、その実態は如何に…。
一体どんな端末なのか
さて、早速ですが、↓が“待望の”VAIOスマフォです。
うん、普通ですね。
「どこらへんがVAIOなの?」って聞かれたら、「ロゴのあたりかな」としか答えようがない、何の特長も無いデザインです。あ、背面にもロゴが入っているみたいですよ。
そこらへんに転がっている、安価な大陸製SIMフリー端末と変わりませんね。
…というのも、これには大きな理由があります。
関取社長は「『ハードと通信であらたな価値を提供できるのではないのか』と考えていたが、正直、VAIOはまだ始まったばかりの会社。リソースも通信の技術も限定的で、今回はデザインと一部のエンジニアリングを提供させていただいた」と振り返る。
(ITmedia Mobileより)
↑ということからも分かるように、VAIOスマフォとは言いながらも、実際には「VAIO製」ではありません。
ネット上では「ELUGA U2(パナソニック)がベースになっている」という指摘がされていますが、日本通信はこれを完全否定。
ただ、他の記事では「ベースとなっているのは、台湾メーカーの端末」とされているので、ELUGA自体がベースではないにせよ、実質的には同じようなものでしょう。
あくまで『VAIO』に期待していた人からすれば、強い表現になりますが、これは詐欺みたいなもの。日本通信の株価が急降下したのも当然です。
ただ唯一、今後に期待が持てるのは↓のコメント。
その内容について同社執行役員の花里隆志氏は「VAIOには、高密度実装技術、放熱設計技術、そしてデザイン力という3つのコアがある。今回は主にデザインで協力させてもらった」と話す。開発期間の問題もあり、「ベースのシャーシ」(花里氏)となるAndroid端末に、VAIOならではのデザインを施したという。
(同上)
開発期間に制限があった上で、かつ「『今回は』主にデザインで…」ということなので、もし「次」があるとしたら、もう少し“VAIO”な端末が出てくる…かもしれません。
正直、次があるのかどうかも疑わしいですけどね。
正直、次があるのかどうかも疑わしいですけどね。
買うに値する端末と言えるか
まぁまぁ、あまりに×××な端末とはいえ、いろいろな制約がある中で、「VAIOが新たな一歩を踏み出した」ということをポジティブに受け止めたいと思います。
記念すべき第一弾ですし、どんな×××な端末でも、本来なら「記念に買っておこうかな」と思うところですが…値段設定が馬鹿としか言いようがありません。完全に馬鹿。ヤバいです。
まず、このVAIO Phoneと“同一”であるELUGA U2の販売価格は7990台湾ドル。3万円です。
そして、VAIO Phoneの販売価格は、なんと5万1,000円(税別)。
VAIOのセンスもこだわりもプライドも感じない、この×××な端末に、5万も払えと。
もうここまでの話だけで、この端末は一切の迷い無く ナシ です。
これに5万もの大金を払う気にはまったくなれません。あくまで僕個人としては、ですけどね。
なお、24回で分割払いする場合、月の端末代金は2,000円(税別)なので、4万8,000円。これに初期手数料が3,000円が加わって、合計5万1,000円ということのようです。
詳しくは日本通信の公式ページをご覧ください。
一応、スペックも見ておこう
デザインと価格で批判ばかりしていてもアレなので、一応、スペックも掲載しておこうと思います。
ザ・ミドルレンジという感じなので、そういう意味では「ど真ん中」なんでしょうが、それがユーザーにとってのストライクゾーンなのかどうか…。
- OS: Android 5.0 Lollipop 32 bit
- CPU: Snapdragon 410 MSM8916(1.2GHz クアッドコア)
- メモリ: 2GB
- 内蔵ストレージ: 16GB
- 外部記録媒体: microSDXC対応(最大64GB)
- ディスプレイ: 5インチ 1,280 x 720
- バッテリー: 2,500mAh(取り外し不可)
- フロントカメラ: 1,300万画素
- リアカメラ: 500万画素
- サイズ: 71.3 x 141.5 x 7.95 mm
- 重量: 約130 g
- カラー: 黒のみ
- 対応周波数(WCDMA): Band1(2,100MHz)、Band19(800MHz)
- 対応周波数(LTE): Band1(2,100MHz)、Band3(1,800MHz)、Band19(800MHz)
- その他: おサイフケータイ非対応、NFC非対応、VoLTE非対応、防水・防塵非対応、ワンセグ・フルセグ非対応
Android 5.0を載せた状態での出荷は評価できるかなー、と。ただ、今後のアップデート対応については未定とのこと。ここで対応しておかないと、悪しき先例になりかねませんが…。
ちなみに、SIMスロットは2つあるようですが、デュアルSIM対応というわけではなく、「SIMスロットの一つはIMEIをご確認いただくためのスロット」(公式サイトより)だそうです。
結論
少なくとも今回の製品に限っては、「日本通信にうまいこと担がれた」と言えるでしょう。
VAIOブランドの再起に向けて注目度の高い今、このような端末を出してしまったことは、VAIO社にとって大きなダメージになりかねません。
もしこれで終わってしまえば、『VAIO』は単に利用されただけ。“黒歴史”となること請け合いです。
だからこそ、VAIO社には、ここからの反撃に期待したいと思います。
ただし、今回の端末は絶対に買いません!
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